隈研吾氏の講演会に行ってきました。
11月18日(土) 三友サルビアホール(山口県防府市公会堂)
基調講演:演題「木を活かす、木と生きる。」
第2部 パネルディスカッション テーマ「サステナブルなまちづくり」
会場では、駐車場の案内係りから始まり、たくさんの学生ボランティアが活躍していました。次世代の若者に多くを伝えたいと考えておられる、隈氏の思いを反映した講演会で、1300名の会場は満席で活気あふれるものでした。
基調講演では、氏の持論である「一極集中から分散へ」「木の可能性」「地域・町おこし」など、様々な視点から木材を使うことの有用性・貴重性を感じることができました。
特に、木材は自然素材であり、炭素(C)を多く含むため建築材料として利用することで、CO2の吸収などができることなど、建築がどのように環境に貢献できるかという視点を常に持ってデザインされていることを痛感しました。
そもそも、日本屈指の建築家である隈研吾氏とは、2021年10月に完成した石垣市役所の建設にあたり、地産地消をテーマの1つに掲げる隈氏が、議場の椅子に地元名産石垣牛の革を利用したいと考えられたことがご縁の始まりとなりました。以後、滋賀県守山市の新庁舎建設でもご縁をいただき、応接室の椅子に弊社の革を利用いただきました。
当ブログ内 :守山市新庁舎(その1)・守山市新庁舎(その2)
そのご縁のおかげで、私も、隈氏から多くを学び、私が携わっている皮革業もまた、牛を食用とした後の副産物を皮革として製品化していること、長く使えば世代を超えて利用できるなどSDGsに貢献できる面を持っていることを知りました。そのような経緯で、今回講演会にも参加させていただいたのです。
実際、隈氏が新国立競技場の軒庇(のきびさし)に47都道府県の木材を使われているその姿勢、また、雑誌PENにて語られていた
「木造は完成した時が最終形ではなく、傷んだ部分を木で補修し、柱を動かし間取りを変えて、生き永らえる。偉大なる平凡、逆転の連続、そして、生き続ける生命体。そんな日本建築に、僕は興味を抱き続けています」
との言葉は、長く使え再生できる革を目指す私にとっても大いなる共感と学びとなっているのです。
防府市での有意義な一日を終えて、いつの日か、私も山口の地産地消に係り、貢献したいものだと強く思いました